モーム短篇選(上)
- 作者: モーム,行方昭夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/09/17
- メディア: 文庫
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上巻は6つの短篇から成る。
- 「エドワード・バーナードの転落」
タヒチに行って人生観がすっかり変ってしまった感のあるエドワード。舞台もタヒチで「月と六ペンス」に似た味わい。
- 「手紙」
夫の留守中にジェフ・ハモンドに乱暴されそうになったミセス・クロスビーは思わず銃を手に取り男に発砲してしまう。正当防衛かに見えたが銃弾は6発全て発射されており、殺意があったのではないかと不利な状況に。そんなところにミセス・クロスビーがハモンドに「来てほしい」と、充てた手紙を持っているという人物が現れる。
- 「環境の力」
ボルネオの奥地駐留所で夫のガイと生活するドリスは夫が結婚前にボルネオに駐留していたときに現地の女性との間に3人の子供をもうけていたことを知る。
- 「九月姫」
グリム童話のような作品。籠の鳥は自由がないと死んでしまうよ。
- 「ジェーン」
ミセス・タワーの義理の妹:ジェーン・ファウラーは27歳と自分の年齢の半分の男性ギルバート・ネイピアと結婚する。ギルバートのデザインしたドレスを着て単眼鏡をかけたジェーンは社交界に華々しくデビューするが意外な展開が二人を待ち受ける。
- 「十二人目の妻」
結婚詐欺師が自らの騙しのテクニックを語る。この作品にも50代で結婚することになるミス・ポーチェスターという女性が登場する。