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すべては「裸になる」から始まって (講談社文庫)

すべては「裸になる」から始まって (講談社文庫)

1 つい1週間ほど前、チャット中に「森下くるみ秋田県出身なのか」と言う人がいて、あ〜そういえばそうだったと記憶が呼び起こされたので、名前でググってみたら文章を書いてる人だとわかったのでこれを読んでみた次第。

2 高校3年のときに初体験を迎えたその日は秋田では竿灯祭りがあって、その中に秋田にはいないような派手な格好をした人がいてそれが実は加藤鷹だったことが後日わかったりするあたりがなんとも。

3 森下くるみの家庭は彼氏を家に呼べないほどの貧乏暮らしで、父親が月30万円の給料を三日で使ってしまうほどの大酒のみで家族に暴力を奮うんである。母親は灯油をかぶって狂言自殺をするし、姉と弟は幼少のときから毎晩のように父親をどうやって殺そうかという相談をしているしで、家族としては崩壊している状態だったところに、彼女が高校2年のときに、「役所から離婚届を取ってきて」と何をするにも面倒くさがってぐずぐずしている母親に指示して名前を書かせてハンコを押させて両親を離婚させるに至るわけで、今までで一番うれしかったことは?と聞かれて「高校2年生のとき、両親が離婚して、父親が家から出て行ったこと」と答えるあたりを読むと、この父親とは有名になった娘に金の無心とかで来なければ人生2度と会うことはないんだろうなと思っていたら、第4章の「ささやかなる夢」で赤羽に住む父がたまに携帯に電話をよこしたしり、父の住むアパートに行って父の手料理を食べたりいっしょにカラオケにいったりしてるんである。子供のころの辛い思い出も人生に余裕ができればちゃらになってしまうこともあるのかと考えさせられる。