【読書】「しろいろの街の、その骨の体温の」(村田沙耶香)

しろいろの街の、その骨の体温の

しろいろの街の、その骨の体温の

小学4年のときのファーストキスがいきなり舌をからめたものになった伊吹と谷沢がどのようにして、本当の恋人らしくなっていくのかを楽しみにして読んで行きたかったのに道は険しかった。
中学2年になって、ようやく同じクラスになったもののクラス内ではグループ化→序列づけがあって、谷沢は下から2番目のおとなしい女の子のグループ。伊吹は男子の上位グループ。伊吹はそんなことは気にもかけないでいるのに、谷沢は小学校のときに自分のおもちゃにしたはずの伊吹が学校では自分の自由にできない。そんな焦りともどかしさがあちらこちらに。
そんな焦りは谷沢が「ちゃんとつきあうかどうか」を返事するために伊吹の家を訪れた229ページのあたりで大爆発することになる。

中学生の女の子はこんなことを考えながら恋愛しているのか、と中学1年の娘を持つ父はしみじみ感じ入った。