【読書】「カラマーゾフの妹」(高野史緒)

  • ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」では、長男ドミートリーが父親フョードルを撲殺して3,000ルーブルを持ち逃げしたとして裁判で有罪判決を受けシベリアの鉱山に送られたが、本当のところはスメルジャコフが実行犯で次男のイワンが道義的な真犯人とされるのが一般的な読み方。
  • で、あるのだが、真犯人は別にいるとして、内務省モスクワ支局未解決事件課特別捜査官になったイワン・カラマーゾフが13年ぶりに帰ってきて捜査にあたるという話の展開
  • 元ネタの「カラマーゾフの兄弟」は光文社古典新訳文庫で新訳が出た時に一気読みしたのだが、ゾシマ長老が死んだ後に腐臭を放つ場面が印象的だったために、他のところで人間関係を完全に把握できずに終わったところがある。
  • 長男ドミートリーの母親と次男イワン、三男アレクセイの母親は違う女性だとか、息子は三人とも母方の親戚に引き取られて育てられたとか、基本的なところをこの本「カラマーゾフの妹」で復習できたのはよかった。
  • イワンが実は多重人格だったとか、フランス人の催眠術師に治療を受けていた時に実はアンナと呼ばれる妹がいたことを思い出したとか。

カラマーゾフの妹

カラマーゾフの妹